• 2007.07.25 Wednesday
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評価:
ジーノ ストラダ
紀伊國屋書店
¥ 1,680
(2002-12)
世界中の戦場で救援医療活動をするイタリアのNGOエマージェンシーの設立者、ジーノ・ストラダの戦場での体験を綴った本。

ストラダ氏は、イタリアでは特に若い層を中心に絶大なる人気と尊敬を集めている。
政府からの寄付は受け取らないで活動をしており、イタリア政府からの多額の寄付の依頼断るほど、その方針は貫かれている。

カンボジアでも地雷被害の最もひどいバッタンバン州で病院を開設している。テラ・ルネッサンスでもスタディツアーで何度もその病院を訪れているが、その綺麗に整備され、庭にはたくさんの美しい花が咲き乱れている。まるで別世界へ来たようである。地雷を踏んで、戦闘で怪我をして、最近では交通事故による患者が多くなっているようだが、そうした患者がこの美しい環境で治療を受ければ精神的にも和らげる、とそんなことまで考えて運営されている。清掃人や給仕係、庭師、大工なども自前で障害者や未亡人などを雇用し、彼らに仕事を提供しているという。外注することはほとんどないともカンボジアの担当者は語る。

そんなところは、この本には書かれていないが、どうしてこのような素晴らしい活動ができるのか、それはこの本を読むとよく分かるような気がする。

ストラダ氏がこれまで体験したり、目にしてきた、戦場での体験は、強烈に戦争下で起こっていることを教えてくれる。

それぞれの章は短く、彼の回想という形で書かれた文章は読みやすい反面、そこに書かれている内容は、もう読み進めたくないと思わせるほど、悲しい出来事も彼の視点から綴られる。

地雷問題に興味のある人もぜひ読んでほしい一冊。
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そうだったのか!現代史
そうだったのか!現代史
池上 彰

第11章では、1975年からカンボジアで政権についたポル・ポトを扱っている。
分かりやすくかかれているが、妥協はしていない。

とにかくしっかり解説してあり、それでいて中立的に書かれている。

何よりもいいのは、他の章で扱われていることも含めて読むことができることだ。

ベトナム戦争、中国文化大革命、朝鮮戦争、キューバ危機などその時代、影響を少なからず影響を受けた国際情勢のなかでカンボジアの中で起こったことを分かりやすく解説してくれる。

  • 2006.08.17 Thursday 03:33
  • category:小型武器
  • author:terra-books
  • アメリカはなぜ、国連の小型武器規制に反対するのか?そうだったのか!アメリカ
そうだったのか!アメリカ
そうだったのか!アメリカ
池上 彰

唯一の超大国、アメリカ。

果たして銃は民主主義に必要か?

憲法で認められた一般市民の銃所有。

多発する銃犯罪。

NRAと政権の関係。

なぜ、アメリカは、国連の小型武器プロセスに反対するのか?

アメリカの銃問題を分かりやすく解説している。
国際選挙監視とNGO
国際選挙監視とNGO

今、民主選挙のニーズは高まっている。

冷戦構造の崩壊後、民主化の必要性が認識され、旧社会主義圏ではこれまでの共産党独裁の選挙ではなく、複数政党による自由で公正な民主選挙が求められるようになった。

さらに発展途上国側でも開発独裁と表現されるような、民主主義的な政治システムを欠いたまま経済開発優先の製作を追い求めた政府が、結果的に社会矛盾を拡大し、崩壊した後で、新しい民主主義的な政権を選挙で作り出す必要が生じている。

・・・紛争地での平和再建のためのキャパシティ・ビルディングとしての選挙の機能

・・・開発と選挙の相互関係


選挙の重要性が高まり、注目されているのは、こうした理由などがあるが、本書は、カンボジアやインドネシア、東ティモール、ハイチ、スリランカなど数多くの国での選挙監視を担ってきた日本のNGOインターバンドのメンバーによってまとめられている。

たとえばカンボジアは、長い紛争と虐殺で国家が疲弊し、国連の主導で93年に選挙が行なわれ、新しい政治システムが作られた。

ところが、1997年になり、第2首相だったフン・センによって第1首相のラナリッドが実質上クーデタのような形で追放されるという事件がおき、カンボジアの民主化は振り出しに戻された。

そこで、もう一度1998年の選挙では、公平で公正に民主的手続きを経てリーダーが選ばれたのかという民主化の問題が問われる事になった。

こうして国際社会が承認できる形で、国際選挙監視団が総選挙の監視を行うことになったのだった。

その際できたのがANFREL(自由公正選挙のためのアジアネットワーク)である。

今では、国連や各国政府、そしてEUなどの地域連合などが派遣する国家レベルでの選挙監視団と並行して、こうした民間監視団、NGOなどが選挙監視に参加するようになっている。

“Ballots, not bullets"
(弾丸ではなく投票用紙)

をモットーに、旧社会主義圏やアフリカ、中南米の選挙支援を行なうシンクタンク系NGO、IFESなども紹介されている。

こうしたNGOの活動は市民が世界の民主主義を支えることができることを示している。

しかし、本書に書かれてはいないが、カンボジアなどのように選挙監視にも関わらず、その後独裁的な性格をおびてきた政権の国のことなどを考えると、こうした選挙監視団のやり方も見直し、考え直す必要があるだろう。

それは、選挙がそれだけ重要であり、難しいということも示しているのかもしれない。
  • 2006.08.07 Monday 01:30
  • category:カンボジア
  • author:terra-books
  • カンボジアの教育事情はこの本がおすすめ!! 村の子どもと開発僧―住民参加による学校再建報告
カンボジア・村の子どもと開発僧―住民参加による学校再建報告
カンボジア・村の子どもと開発僧―住民参加による学校再建報告
清水 和樹

カンボジアの教育事情を知ろうと思ったらこの本がおすすめ。
書かれたのは少し前だが、今でも田舎の方では状況は変わっていない。

NGOのスタッフとしてカンボジアでの学校建設に取り組んだ著者の経験や現地の子ども達、先生、子ども達の親へのたくさんのインタビューが載せられ、現実がよく分かる。

なぜ公立の学校は学費が無料なのに、子ども達は学校へ行かないのか?

行かないのか?

行かせないのか?

その答えをとてもよく分析している。

ポル・ポト政権の大虐殺で多くの知識人が殺されたカンボジアでは、明らかに人材が不足している。

国が発展する為には、どうしても教育が重要だということは、誰もが認識することだが、どうやって教育を提供するのか?

住民参加型でより持続的に自立して学校建設、運営がなされていくにはどうしたいいのか?

その格闘した経験が書かれており、とても興味深い。

また効果的な支援に向けて、カンボジアで伝統的に尊敬され、リーダーシップを取ることができる僧侶との協力は、仏教が果たしてカンボジアの開発・平和の達成にいかに役立つのかということを示してくれる。

それは必ずしも簡単にうまくいくものではない。たまたまリーダーシップが取れ、尊敬される、積極的な僧がいたから・・・ということもある。

仏教僧のスタディツアーに、参加した僧侶の言葉。

『僧侶だけが何かをしようとしてもだめで、村人、教師、地方政府が協力し合わなければうまくいかないということが良く分かりました。』

これは簡単ではないということも書かれている。


この本の中でもう1つ興味深いのは、仏教の市民運動への影響だ。

カンボジアでカリスマ的な人気をもつマハ・コーサナンダ師やキムテン師が率いた非暴力の立場でクメール・ルージュと政府軍の即時停戦と話し合いを訴えた平和の行進。

1992年、パリ和平協定が締結され、UNTACが展開することになったとはいえ、実質上まだ内戦状態だったときに第1回目が行なわれた。2回目も1993年の総選挙前。

出発直前に集まっていた村が戦闘に巻き込まれたことも・・・。

3回目は、千人を越える人が参加。
2005年にテラ・ルネッサンスがプロジェクトを行なったバッタンバン州バヴェル地域近くでクメール・ルージュの攻撃をうけ、僧侶ら2人が死亡したという。

こうした犠牲を払っても、行進のまえに僧侶達が語った

『真の平和が達成されるなら、死を厭わない』

という重い言葉。

コーサナンダ師は、クメール・ルージュのキュー・サンパンにも尊敬され、ナンバー3のイエン・サリもパイリンで会い、ともに寺院で祈りもあげたという。

ポル・ポト政権時代にあれだけ仏教を弾圧し、寺院を破壊、僧侶を虐殺したクメール・ルージュの幹部たちが、尊敬し、一緒に祈りをあげる・・・、

どれだけコーサナンダ師が影響力をもち、そして仏教が結局カンボジア人のなかに深く入っていたのかが分かる。

最後に、

”Step by Step”

コーサナンダ師の言葉。

すこしずつやっていくことが重要かもしれない。
神の子たち
神の子たち

フィリピン、スモーキーマウンテンでの子ども達をとった作品。

ゴミが山のように捨てられているゴミ捨て場。

その中からお金になりそうなものを拾い集め生計を立てている子ども達がいる。

本作品は、ドキュメンタリー『忘れられた子供たち スカベンジャー』の続編である。

スカベンジャーは、新たなゴミ捨て場に移り住んだ。しかしそこで大変な事故がおきてしまうのだ。

子ども達はどうなってしまうのか?

とにかく現実の世界が広がっているにもかかわらず、リアルでありながら、遠い世界のことのような気もする。


しかし、実際に自分も同じような場所を目の当たりに下ことがある。

カンボジアのプノンペン郊外、スタンミエンチャイ。

ここでもプノンペン市内から出る大量のゴミが捨てられ、山のようになっているゴミ捨て場だ。

ものすごい異臭、スモッグ、いたるところで自然発火しているなかに、

たくさんのスカベンジャーたちがゴミを拾い集めている。

小さな子どもが、はだしでゴミの上を歩く。

世界観が変わった。

テラ・ルネッサンスのカンボジア・スタディ・ツアーでは、必ずこの場所を訪れてきました。

毎年増えるゴミの量。

もう埋め立てるところは、ほとんどないという。


別のゴミ捨て場へ移されるという話であるが、果たして、この『神の子たち』と同じことになってしまうのだろうか?

実際に現場を見てみたい方は、ぜひカンボジア・スタディツアーにご参加ください。

今年は大好評につき、夏にも開催いたします。
定員まで残り少なくなっています。早めにお申込みください。

お申込みはこちら

http://www.terra-r.jp/katsudo/cambodiast2006summer_f.html


またカンボジア・スタディ・ツアーに参加される方は、ぜひ一度行く前にフィリピンのゴミの山のドキュメンタリーをご覧ください。
  • 2006.04.23 Sunday 23:23
  • category:カンボジア
  • author:terra-books
  • 役に立つトラベル ストーリー”ホーチミン アンコールワット”
ホーチミン アンコールワット
ホーチミン アンコールワット
昭文社編集部

ベトナム・ホーチミン。
カンボジア・シェムリアップ。
飛行機で1時間ちょっと。

ゴールデンウィークでこの2カ国を旅行する人も多いだろう。
ホーチミンは、昔サイゴンと呼ばれていたが、実は今でもカンボジア、ベトナムの人の中にもサイゴンと呼ぶ人がいる。

メコンデルタに位置するホーチミンシティは、首都のハノイよりも経済的に発展している。以前はカンボジアの領土だったこともあり、クメール・クロムと呼ばれるクメール民族も多く存在する地域である。

フランス植民地時代の名残を残し、ベトナム戦争の影響もまだ残っている部分もあるが、まだ社会主義をとっているにも関わらず、この町は資本主義が入り込み、発展している様子も見て取れるだろう。

とても魅力が満載の町。それを多くの写真で伝えてくれているのがこのガイドブック。

やはり東南アジアの街のいいところは、比較的日本から近く、物価も安いため、安価に旅行でき、なおかつとても満足できる旅ができるところだろう。

まずは食べ物。ベトナム料理の魅力。それだけでなく、西洋料理や中華料理のおいしくて安いレストランもたくさんある。

さらに安くてとてもきれいなホテル。プール。リッチな気分が味わえる。

癒し系のマッサージ、ネイルなども人気がある。
そんなベトナム・ホーチミンの魅力をたくさん伝える本であるが、
カンボジア・アンコール遺跡も紹介している。
しかしあまり詳しくはない。世界遺産アンコール・ワット。三島由紀夫の「らい王のテラス」のモデルともなったアンコール・トム、映画「トゥームレイダー」の舞台となったタ・プロ-ムなど、とても1日では回りきれない数々の遺跡が存在するシェムリアップ。

ホーチミンのついでにという感じで書かれているが、それではカンボジアを満喫し、楽しむ事はできないだろう。もっと奥深い魅力があるカンボジアは、また別に時間を取ってもいいのかもしれない。
イノセント・ボイス―12歳の戦場
イノセント・ボイス―12歳の戦場
オスカー・トレス, 曽根原 美保

公式サイト イノセント・ボイス-12歳の戦場- 
Cinema Topics Online イノセント・ボイス -12歳の戦場- Voces inocentes

映画『イノセント・ボイス−12歳の戦場』は、エルサルバドルが舞台。すでのこのテラ・ルネ文庫でも映画についてはおすすめ度上位の作品としてとりあげた。

その原書版本が発売されている。
映画は、映像、音で戦争の悲惨さ、子ども兵の現実を伝えるが、この本はそこに記録された文字だけで伝える。しかし、そのリアルさは読んでいてとてもよく伝わってくるのである。こんな過酷な状況におかれた子ども達がいるのか。でも、そこには日常の生活があり、ラブロマンスあり、人々の暮らしがある。それを破壊してしまう内戦。子ども達が戦わなければならない状況はエルサルバドルだけではない。世界中に30万人以上いるといわれる子ども兵士。でもその実態は解らない、知られていないままである。

『見えない子ども達』、『見えない兵士』、『忘れられた子ども達』そんな言葉が浮かんでくる子ども兵の問題。子ども達を戦争に巻き込み、子ども兵にしているのはみんな大人である。

世界中の子ども達にどんな世界を残しますか?自分の子どもにどんな世界を残しますか?そんなことを考えさせられる本である。

2005年ベルリン国際映画祭 最優秀作品賞受賞<児童映画部門>
2005年アカデミー賞外国語映画部門メキシコ代表
  • 2006.04.21 Friday 00:28
  • category:カンボジア
  • author:terra-books
  • パヴァロッティ&フレンズ 2000〜カンボジアとチベットの子供たちのために
パヴァロッティ&フレンズ 2000〜カンボジアとチベットの子供たちのために
パヴァロッティ&フレンズ 2000〜カンボジアとチベットの子供たちのために

その高音の美声から『キング・オブ・ハイ・C』と呼ばれたイタリアのテノール歌手パヴァロッティ。先日もイタリアで開かれたトリノオリンピックの開会式でも18番、プッチーニの歌劇『トゥーランドット』のアリアから”誰も寝てはならぬ”を熱唱したことが記憶に新しい。その曲はまさにフィギュアスケート女子金メダルを取った荒川静香選手が舞った曲でもあった。

そのパヴァロッティが彼のビッグフレンズ集め2000年にモデナで開催されたカンボジア・チベットの子ども達のためのチャリティコンサートを録音したもの。

とにかく大物がそろう。アクアら世界のビッグ・アーティストたちが数多く参加した感動のアルバムだ。

パヴァロッティはすでに引退したが、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとともに3大テノールと呼ばれサッカーワールドカップ決勝の前夜祭に一緒に歌ったのも記憶に新しい。

もちろんその大きな体と顔は愛嬌があり、美声は温かさがあるが、こうしたカンボジアやチベットの子ども達のために開くチャリティコンサートは彼の人間的広さを感じる。とにかくスケールがすごい。

彼の美声がもう聞けないのは残念だ。一生に一度生で聞いてみたい声だった。
もの食う人びと
もの食う人びと
辺見 庸

カテゴリーはウガンダ!!
実は、ウガンダに関する本は本当に少ない。
その中でこの”もの食う人びと”にウガンダが登場する。
始まりのくだりはこうだ。

ウガンダの首都カンパラからトランス・アフリカン・ロードをビクトリア湖沿いに走り、丘をいくつも上り下りし、赤道を越えて、難易0.5度dくらいまで来ると、マサカという町に至る。


まさかっと思ったのはマサカという町の名前を目にしたときだ。
知っている・・・。実はテラ・ルネッサンスがプロジェクトをしているウガンダの地図が事務所に張ってあるのだ。それを見ていたときにマサカ、ジンジャなど日本語?と思わせるような地名が目に付き、覚えていたのであった。

さて、前置きはこれぐらいで、内容はというと、
この地域のもの食う人びとである。エイズで次々に村民が倒れている。
遠いようで近い感じもする人々。
活動する『ワールド・ビジョン』のスタッフは、

”驚いたり、嘆いたりならだれにでもできる”
”偽善を悩む余裕なんかないんだ”

多くの患者を前にうろたえる著者をしかる。
たぶん自分も同じ場面にいたら、そうなっただろうという光景が目に浮かぶ。

この章のタイトルは、”バナナ畑に星が降る”。
その他の章もとても面白く、それでいて深いルポルタージュの傑作である。
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